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2010年8月18日 (水)

恐怖・心霊体験1 海での出来事 

恐怖体験
夏の季節に定番? 「世にも恐ろしい心霊体験」なる本を、怖いモノ見たさで読んでます。本とは関係ないが、怖い話という事で、自分が今まで経験した心霊~恐怖体験等の記述をしてみます。長文です。

海での出来事:

20代半ば、ボディボードに凝って、鵠沼海岸で遊んでいた時期がありました。サーフィンは遊泳時間になると禁止だが、ボディボードはOKで、早朝~昼までに仲間と現地集合・顔合わせで楽しんでました。

その日は、社会人夏休み中のお盆時期で、オフショアの風強め、結構波が強く、まさにお盆時期の海でした。仲間と離れ、波も強いし戻るかという時に、「助けて下さい」と声が聞こえてきました。海面には立てるけど、強い波が頭上を覆いかぶさり、UPUPみたいな感じで1人の少年がボードに捉まらせて下さいとゲホゲホ咳込みながら頼んできました。あらあらと、ボディボードを横にして2人で浮かぶ、そんな感じでお互いに一息です。

自分はシーガルのウェットスーツ、パドル手袋、足FIN状態の所謂ボディボーダースタイルです。リシュ―コードは右手に着けて(これが後で役立つ)、ぐったりした少年に元気出るように話かけ、自分が手足パドルで岸に向けて漕ぐ感じです。少年は中学校の友人とはぐれて独り漂い、波に揉まれて、ちょっとパニックでした。

少年はぐったり、ボディボードと自分の肩に力を込めてしがみ付き、こちらが一人でパドリングするも、一向に岸に着く感じがないのです。あきらかに流されている!だんだん疲労で手が脚が・・・・とドキドキしながら、いよいよ漂い始めました。

鵠沼海岸の端っこには河口があり、海岸と河口の潮流の入混じった処はヤバいなと思いながら・・・・、近い処までに流され始めているにも気が付きました。立つ事が出来て海面から顔を出しても、間髪入れずに頭上を覆い被さる波が襲いこみ、まともに息継ぎを続ける事が難しいのです。そして、波が引く時にグィーと沖に戻される強い引き込みがあり、少年を助けた自分の身もヤバくなりました。

と、その時に、またもや助けを請う声が・・・・、「ボードに捉まらせてくれー」と小学生ぐらいの女の子(ジャ凛子ちえ風)と父親(太り気味)の親子の姿がありました。とりあえず、その親子の傍に着いて、少年に声を掛けてボードの位置を変えさせようとした瞬間!・・・・。

その親子が、ボードを引ったくり、父親が自分を踏み台状態にして海面へ出ようと押さえつけられました。一瞬の早業~もの凄い力で踏み付けられ、自分は沈められました。

この辺りの記憶は、ほんの数~十秒だけど、1つ1つがコマ送りの様に脳裏に焼き付いてます。ボードを引っ手繰る父親の形相変化~踏み付けられる感覚~塩辛痛い喉と鼻。

自分が死ぬという感覚を持ったのはコレが初めて、と同時に自分のカラダからスウッと抜け出た、もう一人の自分が居て、苦しいはずなのに何か気持ちのイイ意識、その別の自分が踏み付けられている頭や背中、肩を水面の日差しの中から観ている感覚がありました。意識が頭上というか、別の自分が自分を眺める感覚です。

幽体離脱なのか、心霊体験なのか、なんなのか、コレばっかりは未だ解明出来ずです。

この感覚が出てから、どこかしらから湧き出たパワーみたいなチカラ、生きる・サバイブしなければならないエネルギーが全身を漲り、親子からの呪縛を解き放つように、海面へ浮上しました。ここで親子に、ウエットスーツの首廻りを掴み取られ、ビューンとウエットスーツのゴムが50cm程伸びてます。ウエットスーツを着用していたおかげで、親子に皮膚を毟り掴まれる事も無く、又、海面浮上にも浮力プラス効果があったと思います。

海面浮上後は、こちらも必死!ボディボードが無くならない様にする為の手首に巻きつける、リシュ―コードを無我夢中に手繰り寄せ、なんとかボードを手元に戻しました。

そして、少年は、自分の必死サバイブを知る由も無く、UPUPで顔面蒼白・唇紫で、背後からヘッドロック状態から抱き寄せ、悪夢の親子を避けるため、必死・無我夢中で泳ぎ込みました。

以外とバカチカラは出るもので、必死の逃げ込みは成功、しかし密着して感じる少年の体温低下(ホント冷たい)を実感しながら、再び漂流し始めたところに、なんと!レスキュー員の姿が見えました。

記憶では、レスキュー員は小さな赤い水泳帽、真黒に日焼けしたマッチョなボディ、何故か正座で板状のボート?の先頭で両手(オール無し)で手漕ぎ状態、もの凄い早いスピードで現れました。 

助かったと安堵、速攻で少年を救い込み、「君はボードあるから、独りで戻って」と言いきられて、レスキュー員がすぐに引き返し、もの凄いスピードで離れて行きました。多分、少年の様態を一瞬で判断、搬送治療の必要があったと思います。

自分はというと、耳に水が入ったので頭がボワッともしてくるし、喉も痛いし、手脚もだるいし、でなんとか、岸辺に辿り着きました。多分、しばらく寝ていたのか、呆然としていたか、猛烈な喉の渇きで目覚め、安堵です。起きたら、カラダが震えてました。

そこから先の記憶はあまりないのですが、塩水で下痢、筋肉痛、微熱なんかがありました。新聞、TV・NEWSでは、その日の当海岸での事故報道があったくらいです。結果的に、あの悪魔な親子ほどの年齢に匹敵する犠牲者年代では無かった、のが幸いです。ボードを奪い取る瞬間に変わった形相、これは未だに焼き付いてます。人間って恐いなぁ~なんて、ふと思います。

夏の海や川の事故報道で、溺れた人を助けに入った方が不慮に合う事、偶然ではなく必然の面もあるという事です。

又、人間の恐さというか、パニックになると、秩序・理性・友愛などは吹っ飛ぶ事を実感してます。(この辺りは「ゾンビ」映画の人間性に匹敵します)パニック状態では、我先に我先に、自分だけは自分だけは、押し寄せる人間のむき出しのエゴ、でも本来持っている生存本能であるし、当事者ではないと論せない表現かと思います。

「自分だけが良ければ良い事は良くない」、これは誰でもが思う事だけど、パニック状態ではこの理性が維持できるかどうか、悩むところです。

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